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福岳オススメの家具メーカー カンディハウス

2016年03月07日

家具のフクタケのつぶやき

福岳お勧めの家具メーカーを紹介するコーナーの第2回はカンディハウスです。

旭川の最大手の家具メーカー カンディハウス 創業は1968年。

創業者は昨年永眠された長原實氏。

北欧モダンスタイルの家具を得意とした家具メーカー。

カンディハウスと言えばやはりカンディハウスの創業者、長原實氏(取締役相談役)を抜きにしては語れません。

長原相談役ヨーロッパは創業前1963年から3年半、

旭川市海外派遣技術研修生として西ドイツ滞在して、家具工場3社で働かれたそうです。

当時、旭川では硬く加工が大変な水楢(オーク材)がヨーロッパへ輸出されていました。

そのナラ材を使い家具が作られ日本へ高級家具として輸出されていたのです。

また家具メーカーには「日本人はすぐにマネをするから働かせたくない」と断られた事も。

それでも日本での職人仕事の家具作りとは全く違う近代的な家具生産を学び、

美術館を見て回り審美眼を高めたそうです。

その体験から、いつか海外へ家具を輸出したいという思いが芽生える。

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カンディハウスヨーロッパ ショールーム

旭川に戻り1968年にインテリセンターとして創業、1969年に第一号の製品が出荷。

長原氏は起業家としてはもちろん、

家具職人、デザイナー、教育者、思想家5つの顔をもちそれぞれで

素晴らしい活躍をされてきました。

長原實氏デザイン ボルス

長原實氏デザイン ボルス

職人集団の家具メーカーの多くが見て盗めが当たり前だった時代を考えると異例だったと思います。

またカンディハウスは創業時から椅子やソファを中心とした商品構成でした。

そのおかげで婚礼ダンスが売れなくなり旭川だけでなく

全国の家具メーカーで倒産が続きましたが、

カンディハウスはバブル崩壊という荒波も乗り越え会社を存続させてきました。

常に先進的で古い家具業界の中では常に先進的で、

日本の家具業界のリーディングカンパニーと言っても過言ではないです。

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2014ケルン国際家具見本市

1985年に現地法人を立ち上げとしてカンディハウスとしてアメリカでスタートを切る。

アメリカ大手銀行やアップル大学などにも家具を納品。

ヨーロッパへの進出は2004年にドイツに現地法人を立ち上げ、

翌年のドイツのケルン国際見本市に出店しています。

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※TOZAI LUXシリーズ

2007年にドイツ人デザイナー ピーター マリー氏によるtozai LUXシリーズがきっかとなって海外での評価が高まります。

2014年のケルン国際家具見本市では東京ビックサイトの3.5倍くらいの規模のケルンメッセの会場で

世界中の一流メーカーしか展示が許されない

Hall 11-3の3F 最上階に出店した唯一の家具メーカーです。

さらにヨーロッパでの評価が高まり、

ロシアや台湾など新規取り扱い店舗が増えていきました。

ワンランク上の上質へ

工場では“入り口と出口”で手間をかけて、途中は徹底して機械化を行っています。

木材の乾燥、木取などの家具作りの初めのは人がおこない、

途中の機械でもできる部分は最先端の木工機械を使用。

加工されたパーツを組み上げて研磨、塗装、縫製などは

職人の手作業で手をかける事で美しく上質な仕上がりになります。

トヨタ式の改善を行い全ての工程で効率化をはかり、

共用パーツを増やす家具メーカーも多いですが、

それを行う事で仕上がりは明らかに落ちてしまいます。

突板(木を薄く削りベニヤに貼ったもの)を自社で製造しています。

職人が一枚一枚どの家具のどこの部分に使うか考えて木目を活かし選んでいますので、

家具のデザインに合った木目はとても美しいですね。

そして他のメーカーの真似をすることなく全ての家具に対してデザイナーを付け、

色々な角度から見てもバランスのとれた美しいデザインの家具を生み出しています。

昨年発表された深澤直人氏の『KAMUY』はスカンジナビアデザインの王道いくデザインを

高い技術力と最先端の機械を使用して実現。

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深澤直人氏デザイン『KAMUY』

その次には今年のケルンで発表された『TEN』はドイツ人デザイナー ミヒャエル・ シュナイダー氏による、

木とポリカーボネートを組合わせてろことで、

軽量かつポリカーボネートのたわみを活かした座り心地が高く評価され今までにない受注があったそうです。

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短期間にここまで方向性の違い、しかも完成度の高いチェアを産み出すとは想像出来ませんでした。

これからも目が離せないですね。

 

あと、イスやソファに使われる布は日本の家具メーカーで一番良質な生地を使用しています。

「木工メーカだから布では利益は求めない。」というのが長原氏の方針だったそうです。

布を仕入れる専属の担当者がイタリアで開催されるファブリックの世界最高峰の展示会に足を運び、

カンディハウスの製品や木の種類に合うのはもちろん、

流行やマーケティングまで考えて布を仕入れるそうです。

あとメンテナンス体制はもちろんしっかりしていますが、

自社製品を買い取り修理して販売する体制を取っている唯一の家具メーカーで、

木を大切にする企業の姿勢と自社製品への絶対的な自信があって初めて出来る事です。

家具とは違う経営という切り口で見ても、

銀行にもオープンにした月次決算書を作り経営活かす事で、

マネジメントスピードが非常に速くいつも感心させられます。

良い会社から世界に通用する素晴らしい家具が作られていると実感させられます。

一社の家具メーカーで家中の家具をそろえる時に一番お勧め出来る家具メーカーですね。

 

 

家具の福岳
小川直樹

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