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ウッドショックの家具業界への影響について

2021年05月28日

家具のフクタケのつぶやき

前回のブログでも書きましたが、 今年の4月頃から海外から木材が滞り始めました。

ニュースや新聞などで知られた方も多いと思います。

詳細はこちらをお読みください。

ウッドショックによる家具の値上

今回はウッドショックの家具業界への影響について掘り下げていきたと思います。

日本の森林面積は約2500万ヘクタールで国土の約67%が森林です。

かつて日本にも家具に使われる広葉樹が豊富にありましたが、

北海道からヨーロッパへ安価で良質だったミズナラが輸出され

そこで作られた家具が世界中に輸出されていた時代もありました。

また岐阜県では飛騨の家具メーカーが当時豊富にあったブナ材で家具を作り

北米へ輸出、外貨を稼いだという事で国から表彰されていたという、

今では信じられない時代がありました

                                    そして家具に使用できる広葉樹が枯渇してしまい、代わりに植えられた杉は

安価な外国産材が大量に輸入される様になり、

人の手も入る事なく放置されるようになりました。

北海道では道内の家具メーカーが使う国産のミズナラ、タモ材は確保できる目処が立って来た様です。

ただ目先の利益を優先させた結果が今のウッドショックの原因です。

家具も同じです。かつて日本が失敗してきた轍を中国もたどりました。

豊富にあったナラ材を短期間の間に材料や家具として大量に輸出。

資源が枯渇し、中国が海外から木材を輸入し始めました。

国内の家具メーカーもその都度安く手に入る材料を使い出来るだけ安く家具を作って来ました。

その結果安く作るために手間をかけず安易に製造された為、デザインが見劣りして、耐久性もない家具が大量に市場に流通しました。

その結果100年かけ育てられた木々が短期間の間に破棄されてきたのです。

今までは木材が安く流通していた為、耐用年数の低い家具(デザイン、耐久性の面)を安く作る事が出来ました。

今回のウッドショックで家具に使用される、オーク材やウォルナットも大幅に値上がりしています。

比較的安価な価格帯の家具メーカーも高品質でデザインの優れた家具メーカーも原価率は大幅に上がります。

そうなると家具メーカーが持つデザイン力、技術力の差が家具になった時に出てきます。

安価な価格帯の家具メーカーは安く家具を作る事が難しくなります。

『デザインや作りのわりに値段が高いのに安っぽく見える。』

『物のわりに高く見える』など『値段は高いけど座り心地はイマイチ』

これから家具を購入しに店頭へ行くと、この様に感じる事が多くなるかもしれません。

家具の原価率が高くなり、どの様に作っても販売価格はそこそこ高くなってしまします。

今迄の様に安くて値段のわりに良い家具を作る事が難しくなっていきます。

家具を可能な限り安く作り、定価を高く設定して値引も出来て利益率の高い家具が販売店にとってメリットが大きい為、店頭で幅を利かせて来ました。

100年かけて育てられた貴重な木材はレベルの高いデザインと高い技術力で、

修理しながら長く使える家具を作る事が求められてくる。

木の成長に合わせ修理しながら長く愛着をもって使える家具を作る事の方が、

家具を使う人にとっても満足して頂けると思いますし、地球環境への影響も少ない。

我々、家具販売店や家具メーカーが自社の利益だけを考えて、

人より長く生きてきた貴重な木材を無駄に消費してきた結果が今の事態を招いているだけ。

森の成長に合わせ、木々を使い建物を建て、家具を作っていくという当たり前の事をしてしかありません。

今回のウッドショックで家具業界への影響は大きいですが、長い目で見ればプラスに働くと思います。

そして衰退してしまった林業という過酷で、危険の伴う仕事を糧にする人々に適正な利益が循環していく日本へと変わるきっかけになって欲しい。

そう心から願うばかりです。

そして、これからも家具のフクタケで適正な価格で購入出来長く使える家具をご紹介していくだけです。

福岳産業株式会社

代表取締役 小川直樹

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