ホーム > 家具屋のつぶやき > 飛騨の家具フェスティバル 国産材サミット
2016年10月13日
家具のフクタケのつぶやき今年から飛騨の家具フェスティバルの中に新たな試みの一つとして 「国産材サミット」が開催されました。
JDNの山崎さんの進行で飛騨産業、旭川のカンディハウス、愛知県のカリモク、山形の天童木工、東京のワイス・ワイス。
地元の笠原木材の山田社長も参加されていました。
家具の展示会で他産地の家具メーカーが話をするという、
旭川デザインウィークに続き画期的な試みです(^^)
今回は地元 飛騨産業の岡田社長の挨拶でスタート。
旭川では他産地の展示会で自社の取り組みや製品について話をするという事が初めてで、
本当に話しても良いのかな?といった硬さが出ていましたが、
今回は肩の力が抜けて話も盛り上がっていました!
各社の取り組みを話されていましたが、各メーカーごと得意分野や地域性を活かし国産材の家具を作られていました。
カンディハウスは北海道産の広葉樹を使い「ここの木の家具 北海道プロジェクト」
として北海道産の家具を積極的に使用しています。
飛騨産業は柔らかい杉を加熱圧縮しタモ材と同じ硬さを実現しイスなどを作っています。
デザイナーの川上元美氏やエンツォマーリ氏を起用されていました。
天童木工も柔らかい圧縮し、成形合板でイスなどを生産されていました。
ワイスワイスは震災で被災した会社で杉を圧縮もせずイスを生産。
旭川デザインウィークから始まった新たな潮流は、
各社色々な取組をされていました。
途中、カリモクさんから5社で国産材家具をデザインして作ってみたらどうか?
といった提案もあがり、次回の旭川に向けて楽しみが増えました。
デザインでより付加価値を付けて、実際に家具を販売していくことも大切だという意見も上がるなど、
踏み込んだ話になり盛り上がっていましたね。
残念ながら予定通り、2時間でカンディハウス染谷氏が飛行機の都合で退席されて終了になってしまいました。
時間は3時間は必要かもしれですね。
素材を加工して付加価値を付けたりデザインで付加価値をつけるなど色々な方法はあると思います。
販売店として一番共感したのは「お客様には国産材かどうかはあまり関係がない」と言う意見でした。
弊社も8年ぐらい前にデザイナーを起用した国産材の杉の家具に挑戦しましたが、あえなく惨敗。
その時実感したのがお客様にとっては国産材かどうかは関係無い、
デザインも大切(個人的には大好きでしたが)だけどそれだけでは売れない。
弊社でいま売れてる国産材の家具は静岡のヒノキクラフト。
http://hinokicraft.jp/
ヒノキと杉をを使用しベニヤを全く使わず家具を作っています。
比較的安価でヒノキと杉をメインに使用。
特に圧縮や加工する事もなく、ヒノキをメインに使用し柔らかな杉材は引出しの底板や本棚の裏板に使用。
特注も対応できて、ベッドや子供のデスクでよく売れています。
今安価な国産家具はだと無垢材や突き板を使用せず、塩ビやプリント化粧板になりそれを敬遠するお客様は多くなっています。
ヒノキは広葉樹に比べると柔らかいが、塩ビのシートよりもはるかに良いというお客様は意外と多いです。
そんなお客様の需要にハマっているのでしょうね。
色々なスタンスの会社がありますが、
国産材家具サミットを続けていく中で普通に国産材を使用する流れが少しづつ出来れば良いですね。
高騰を続ける、ホワイトオークなどの輸入材の広葉樹。
日本の国土の66%は森林という山時に囲まれた国でありながら国産材の使用率は30%低く
国産材をいかに活用して行くかが
今後の家具業界が優れた技術を後世に伝え存続していくに為には要となると私は考えています。
次回の旭川が今から楽しみになってきました。
きっと産地の垣根を超えて新たな展開を見せそうです。
そして業界新聞の家具新聞に私のコメントが写真入りで掲載されました。
『販売側の視点取り入れて
これまでメーカーさんが新作を作って発表する場という雰囲気だったが、
少しずついい意味で垣根がとれて、可能性を感じた。来年が楽しみ。
クローズなイメージがある中で、「国産材家具サミット」を開催したのは画期的なこと。
旭川で開催された初回のサミットは、他産地が来るという、
ある意味タブーなことをやったこともあって、出席者の発言も硬かった。
今回は硬さがとれて、良さが出ていた。
今後も続けていけば、新しい大きな流れになるのではないか。
メーカーだけだと自己満足に終わるので、
実際にエンドユーザーの声を知っている販売店が加わると、もっと深い話がでてくると思う。』
今回は顔写真も2面ですがのせてもらいました!
やっぱり嬉しいもんですね^_^
家具のふく岳
小川直樹